こんにちは。きよなり社会保険労務士事務所の坂戸です。

 

先日、顧問先の障害者雇用状況報告書をハローワークに報告しました。

 

この障害者雇用状況報告書で把握できる状況を元に政府は事業主に対して必要な指導や助言を行います。
すべての事業主は国に定められている割合以上で障害者を雇用しなければならないのですが、この障害者雇用状況報告書では障害者を法定雇用率以上で雇用しているかどうかも確認できるようになっています。

 

事業主である企業は、毎年1回6月1日現在の身体障害者、知的障害者及び精神障害者の雇用に関する状況(障害者雇用状況報告書)を本社の所在地を管轄するハローワークに報告する必要があります。毎年11月か12月頃に全国の障害者雇用の状況として報告が発表されます。

 

今年は大幅な改正がありました!
4月から障害者雇用義務の対象に精神障害者が新たに加わりました。法定雇用率の算定の基礎に精神障害者を含めて計算するようになったため、法定雇用率が変更になり、2.0%から2.2%に引き上げになりました。平成33年4月までに2.3%に引き上げになる予定です。(民間企業の場合の法定雇用率です。次回の引き上げのタイミングは今後の労働政策審議会で決定されるそうです。)

また、提出の対象となるのは、今まで常時雇用する労働者が50人以上(除外率により除外すべき労働者を控除した数)の事業主でしたが、45.5人以上の事業主に変更になりました。それに加えて、「障害者雇用推進者」を選任するよう努める義務があります。

障害者雇用推進者は、障害者雇用に関して実効ある雇用推進措置及び適正な雇用管理を行わせるための担当者です。主な業務は、障害者の職場環境の整備等を図るための業務、障害者雇用状況に関する業務、障害者雇入れ計画の作成などに関する業務を行います。

 

そして、雇用している障害者数が0人の場合でも報告義務があります!もし報告をしない場合や虚偽の報告をした場合は罰則の対象だそうです。

 

この改正により、精神障害者を採用する企業が増えていているそうで、一方で多くの採用者の方が漠然とした不安があるとの新聞記事をよく見かけます。病気に対してわからないことが多い故の不安も多いようです。今後は採用する側の現実と知識のギャップを埋めることが課題となりそうですね。また、求職者側の不安にも耳を傾けることも必要だと感じます。